359°
第9章 funky&crazy
(ん…この声は…)
振り向くと金髪が見えた。
「よ♪ 今からデート?」
ニヤニヤしながら歩いてくる菅生龍の隣に、昨日会った西宮女子の渋谷恵がいた。
「げっ、最悪。また会っちゃった」
渋谷恵は嫌そうな顔をする。
(それはこっちのセリフだっつーの!)
卓也も眉間にシワを寄せた。
「なに、お前ら知り合いなの?」
龍が卓也と恵の顔を見合わせる。
「ちょっと、龍さん!早く行こ!」
「え?え?」
龍の袖をグイグイ引っ張って歩き出そうとする恵。
その時、鋭い視線を感じた。