359°
第9章 funky&crazy
翌日の放課後。
視聴覚室では昨日以上に沢山のギャラリーが集まっていた。
「ストップ! ストップ!」
キーボードを弾いていたカマ尾が演奏を中止させる。
「遠藤ちゃん、またテンポ遅れてる! ちゃんとドラムとベースの音聴いて!」
「は、はいっ…」
「じゃあもう一回最初から」
卓也は唄いながら、遠藤の方をチラリと見た。
ずっと下を向いて弾いてる遠藤。
明らかに余裕がない。
(さっきからミスしてばっかだな…やっぱり問題はギャラリーか……)
周りを見渡すと、うっとりとした表情で自分を見つめる女の子たちがいた。
(うん、まぁ、確かに…意識すると恥ずかしいな…//
あっ…やべ、歌詞間違えた!)
ペロッと舌を出すと、「先輩かわいー!」とギャラリーの中の一年生が喜んだ。