359°
第9章 funky&crazy
「あ…」
真っ先にその人物に気付いたのは遠藤だった。
眉間にシワを寄せながら、不機嫌に蒼士が卓也たちの前に現れる。
「なんだよ、珍しいじゃん、お前がこんなとこ来るなんて」
「はぁ…僕だって一分一秒こんな場所にいたくないんだけど」
はあ?っとつっかかってくる卓也を無視して、蒼士は遠藤の前に立った。
「ひとつだけ言っておく。やる気がないなら、坂本は返してもらう」
「!」
「こっちは足止めくらってるんだ、お遊びに付き合うほど暇じゃない」
「…っ…」
蒼士の言葉に周りがシーンと静まり返る。
何も言い返せない遠藤は歯を食い縛った。
「はぁ?全っ然お遊びじゃねぇし!!」
「やる気がなければ同じだ」
「おいおい」
卓也と蒼士の間に、呆れながら龍が割って入った。