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メガネは外さないで

第1章 4月上旬

そんな中、一人のんびり空を見上げ、立ち止まり、飛行機雲を眺めている女子高生がいる。


「佳菜子!! おはよう♪」

「あ、みっちゃん♪ おはよう♪」


山本佳菜子
16歳
高校2年生



佳菜子の通う桜岡高校は、家から徒歩20分の距離にある。

学校へ向かう途中、大体この場所で、彼女の親友、みっちゃんこと田原三久と会う。


二人は小学生以来の親友で、しっかり者の三久と、のんびり屋の佳菜子はとても相性がよかった。

今まで喧嘩や言い合いといった争いごとの類いは1度もないし、お互いがお互いの気持ちを解り合える、唯一無二の存在だった。


だが、誰とでも社交的な三久は、少し内気なところがある佳菜子に対して、少しの心配事があった。




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