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……どうしてこうなった?

第11章 芹沢の入部試験

「バシッと決めちゃうからねー、優花!!」

芹沢は笑いながら優花に手を振る。

優花が心の底から迷惑そうな表情でそっぽを向くのを槍倉誠一は眺めていた。


そして、もう一人、一年の橘彰人も不快そうな表情をしていることに槍倉は気付いた。


確か橘は葉月と仲がよかったんだっけな……


槍倉誠一はそんなことを思い出していた。

一度聞いた名前を忘れないだけでなく、人間関係も把握し、記憶する。
それが槍倉の優れたコミュニケーション能力のひとつだった。



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