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……どうしてこうなった?

第11章 芹沢の入部試験

ハーフ三十五分の合計七十分のゲーム。


芹沢には申し訳ないが得点を獲ることは出来ない。
槍倉は胸中でそう呟きながら芹沢を見る。


この紅白戦は戦力に差がありすぎた。


槍倉誠一のいるゼッケン白組はサッカー部のスタメンで構成されている。

対する芹沢のいる赤組はベンチ入りもしていないメンバーが大半だ。


紅白戦の結果次第ではベンチ入りが出来るかもしれないという二軍メンバーがそのほとんどであった。


その赤組には槍倉誠一の弟、槍倉駿二も入っていた。

駿二はかなりレベルが高いがそれは問題なかった。

なぜなら駿二が得意なのは点を獲ることだけだ。

守備はもちろん、ドリブルもパスも得意ではない。


ただゴール前でハンターのように待ち構えて点を獲ることだけに集中している。


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