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……どうしてこうなった?

第11章 芹沢の入部試験

そんな類まれなる才能の持ち主の芹沢であったが、流石に真面目に練習を積み重ねてきたサッカー部のメンバーを相手にしては歯が立たない。

ボールを奪うことも出来ず、たまにボールをもらってもすぐさま奪われた。


もっとも芹沢がボールを持った瞬間、闘犬のようにキャプテンの鎗倉自身が襲いかかってくるのでそれも仕方のないことだった。

身体を寄せ、ボールを強奪する様はまさに地獄の番犬、『ケルベロス』といった様相だった。

とにかくしつこく追い回し、容赦なく削る鎗倉誠一のプレイスタイルは学内だけでなく、他校からも『ケルベロス』と呼ばれ、恐れられていた。

しかも槍倉はそんな激しいプレイをしながらも、ほとんどファウルを取られるような危険行為はしなかった。

それが鎗倉誠一の更に凄いところである。

そんな強烈なプレイに対し、才能だけで練習もしていない芹沢が競り勝てるはずもない。

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