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……どうしてこうなった?

第11章 芹沢の入部試験

「ドンマイドンマイ! 気にせずいこうぜ!」

ゴールに入ったボールを駆け足で取りに来て、チームメイトに声をかけたのは芹沢だった。

わざわざハーフライン手前あたりからゴールまでボールを拾いに来た彼は、ボールを拾うとまた走り出し、ハーフラインまで戻る。

本来試合に勝とうが負けようが芹沢には関係ない。

芹沢のすべきことは得点を決めることだ。


にもかかわらず、芹沢はチームを鼓舞して、自らボールを拾う。
その姿に鎗倉は思わず苦笑した。


「あいつらしいな」

とはいえ、キャプテン槍倉は手を抜く気は全くない。

芹沢を完封し、サッカー部入部を阻止させる気持ちに揺らぎはなかった。

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