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……どうしてこうなった?

第12章 橘彰人の変化

泥まみれの練習が終わり、橘はほとんど芹沢を止められなかった自分を不甲斐なく感じた。

「ナイスファイトだ。良かったぞ、橘」

「キャプテン……いえ、自分なんて全然です……」

「いや、そんなことはない。実践であれだけしつこくマークして攻撃を遅めることが出来れば守備陣は体勢を整えられるからな。
立派なディフェンダーの仕事だ。ただあんまり一発でいこうとするな。相手を警戒させ、止めさせることを意識するんだ」

「はいっ! ご助言ありがとうございますっ!」

尊敬する鎗倉から褒められ、指導まで受け、橘は心が踊る。

「そうそう。なかなか迫力あったぞ、橘」

芹沢もそう橘に声をかけたが聞こえなかったふりをしてそっぽを向く。

芹沢は肩を大げさにすくめてやれやれといったポーズをとった。

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