テキストサイズ

……どうしてこうなった?

第15章 優花の処女を捧げる日

その日の練習も、どこか橘の動きは精彩を欠いていた。

凡ミスも多く、動きもどことなく固い。


優花はスコアブックを付けながら、心配そうな視線で幼馴染みを見ていた。


「お疲れ、彰人」

優花は一番に冷えたお茶を橘に渡す。

「おう」


いつもに輪をかけたようなぶっきらぼうな態度でお茶を受け取った橘は一気にぐいっと飲み干し、カップを優花に返す。

「ちょっと待ってっ!」

そのままさっさと帰ろうとする橘を優花は引き止める。

「んだよ?」

「たまには一緒に帰ろうよ、彰人」

不安げに顔を曇らせる優花を冷たくあしらえるほど、橘もまだ吹っ切れていなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ