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……どうしてこうなった?

第15章 優花の処女を捧げる日

「落ちないでよ?」

窓を開けながら優花が笑う。

「俺が一度でも落ちたことがあるか?」

笑いながら橘が窓から優花の部屋に入った。


「久しぶり」

「おう、久しぶりだな」

夕方に別れたばかりのふたりはそうあいさつし会う。

もちろん窓から入ってきたのが久しぶりという意味合いのあいさつだった。


昔はよくこうして橘は優花の部屋へ遊びに来てくれた。

優花が親に怒られて泣いていた夜も、お誕生会をしたあと、みんなが帰ってからもう一回会いに来てくれた夜も、なんだか不安で寝れなかった夜も、橘は優花に会いに来てくれた。


それらの夜はみんな、優花にとって大切な想い出の宝物だった。

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