テキストサイズ

……どうしてこうなった?

第4章 宣戦布告

優花は無表情な顔で振り返る。

「そういう反抗的な態度はとても勇気のあることだと思いますけど……私と喧嘩をして勝った人はいないの、一人もね」

刃物を突き付けるような鋭いセリフとは真逆の、虫も殺さないようなおっとりとした笑顔で佳奈美はそう告げた。


「私も一年の女子を自分で呼びに来ることも出来ないような卑怯なお嬢様に負ける気はしません」


優花は先程までの笑みを浮かべず、無表情のままじっと佳奈美の目を見つめて言い放った。


二人の視線は静かに、それでいて激しくぶつかる。


「そう。それは楽しみね」

「失礼します」


数秒見つめあったあと、優花はそう言い残して生徒会室をあとにした。

呆気にとられていた友美もペコッと一礼をしてから、慌てて優花のあとを追って生徒会室を飛び出した。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ