……どうしてこうなった?
第20章 槍倉駿二のデビュー戦
「意外性って……」
「槍倉駿二は確かにドリブルやシュートはお前のレベルには達していない。しかしゴールへの執念や嗅覚はお前や久保田より遥かに上だ。どうやって点を獲るか、どうやってでも得点を決めるという力がある」
「そんな……」
「別に最後まで槍倉駿二でいくとは限らない。全国大会までは入れ換えが許されてる。まだお前や他の生徒がベンチに入るチャンスがないわけではない」
「……はい」
三年の男は納得のいってない返事を返す。
「それにな……お前と違い三年間、一度もベンチに入れなかった奴だっているのを忘れるな」
「っ……」
「お前と同じ中学から来た青田だってそうだ。ベンチに入れなかった。けどあいつは練習を休まず、俺に文句を言いに来たこともない」
「青田……」
「わかったな? 辛いときでも諦めるな」
「はいっ……」
三年の男は返事をして頭を下げた。
正直顧問としてはこういう場面は何度経験してもなれるものではなかった。
「槍倉駿二は確かにドリブルやシュートはお前のレベルには達していない。しかしゴールへの執念や嗅覚はお前や久保田より遥かに上だ。どうやって点を獲るか、どうやってでも得点を決めるという力がある」
「そんな……」
「別に最後まで槍倉駿二でいくとは限らない。全国大会までは入れ換えが許されてる。まだお前や他の生徒がベンチに入るチャンスがないわけではない」
「……はい」
三年の男は納得のいってない返事を返す。
「それにな……お前と違い三年間、一度もベンチに入れなかった奴だっているのを忘れるな」
「っ……」
「お前と同じ中学から来た青田だってそうだ。ベンチに入れなかった。けどあいつは練習を休まず、俺に文句を言いに来たこともない」
「青田……」
「わかったな? 辛いときでも諦めるな」
「はいっ……」
三年の男は返事をして頭を下げた。
正直顧問としてはこういう場面は何度経験してもなれるものではなかった。