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……どうしてこうなった?

第21章 振られる辛さ、振る辛さ

「あいつ、強ぇーな……」

いつの間にか優花の隣に立っていた芹沢がそっと呟く。

「そうですね……」

優花も相づちを打った。

「一番辛いのは自分のくせに……大した奴だよ」

そう言い残すと芹沢も練習を始めるためグランドのランニングに向かった。


「優花ちゃん、歩けないから肩貸してよ!!」

松葉杖を急に不器用に使い始めた駿二が優花に助けを求める。

「さっきまであんなに上手に使いこなしてたでしょ? わざとらしい!! 駄目です」

「ケチ!! ってうわぁっ!?」

「ちょっ!?」

ふざけていた駿二は本当に転びそうになり、慌てて優花は抱き止める。

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