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……どうしてこうなった?

第6章 甘い罠

「あのぉ……なにか探してるんですか?」

「あ、はい……実はどうもお財布をなくしてしまったみたいで……私ドジですぐ落し物とかしちゃって……」

半泣きの表情で説明する女の子に橘は優しく微笑んだ。


「一緒に探してあげるよ。どんなお財布?」

「あ、はい。大きさはこれくらいの二つ折りタイプで--」



日はだいぶ長くなってきたとはいえ、既に辺りは暗くなり始めていた。

早く見つけないとどんどん暗くなって見つけづらくなる。
二人は手分けして草むらの中を必死に探した。

練習で疲れていたが、一度手伝うといったからには見つかるまで探してやるつもりで橘は懸命に財布を探す。

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