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……どうしてこうなった?

第25章 壊される心

「逃げるのかい?」

馬鹿にした口調で副島が煽る。

「そうです。悪いですか?」

橘はキッと副島を睨む。

安っぽい副島の挑発には乗らないつもりで、実は乗せられていることに橘は気付いていない。


「いや。別に悪くはないさ」

「こういったただれた関係は好きではありません。ただれた関係から逃げるんです。失礼します」

「ごめんなさい……彰人君……」

陸奥は裸のまま橘に駆け寄り、背中を抱き締める。

「離してください、陸奥先輩」

「あなたを傷つけてしまってごめんなさい……」

泣きながら陸奥は抱き締める力を強める。

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