……どうしてこうなった?
第6章 甘い罠
「何が色々あって、よ! サイテー!! 私との約束無視して!!」
「えっ、ごめんなさい……葉月さん、前から彰人くんと約束してたんだ……私、そんなこと知らなくて……」
大袈裟に陸奥は申し訳なさそうな表情を見せる。
「いいんですよ、陸奥さん。陸奥さんが悪い訳じゃないんですから」
「どうだか? 案外先輩わかっててしたんじゃないですか?」
どこか芝居がかった佳奈美の態度が気に入らない優花はつい棘のある言い方をしてしまう。
「そんな……」
「おい、優花っ! 何てこと言うんだ! 先輩に失礼だぞ!!」
しまった、と優花が気付いたときには遅かった。
わざとらしい演技をすることで煽られていたんだ、と優花は声を荒げたあとで悟った。
「行きましょう、先輩。こんな奴ほっといて」
「違うのっ、彰人っ!! 待って!」
しかしその言葉もむなしく彰人と陸奥は足早に立ち去ってしまう。
教室を出る間際、ちらっとだけ振り返った陸奥の顔は--
笑っていた。
冷ややかな見下すような笑みで。
「えっ、ごめんなさい……葉月さん、前から彰人くんと約束してたんだ……私、そんなこと知らなくて……」
大袈裟に陸奥は申し訳なさそうな表情を見せる。
「いいんですよ、陸奥さん。陸奥さんが悪い訳じゃないんですから」
「どうだか? 案外先輩わかっててしたんじゃないですか?」
どこか芝居がかった佳奈美の態度が気に入らない優花はつい棘のある言い方をしてしまう。
「そんな……」
「おい、優花っ! 何てこと言うんだ! 先輩に失礼だぞ!!」
しまった、と優花が気付いたときには遅かった。
わざとらしい演技をすることで煽られていたんだ、と優花は声を荒げたあとで悟った。
「行きましょう、先輩。こんな奴ほっといて」
「違うのっ、彰人っ!! 待って!」
しかしその言葉もむなしく彰人と陸奥は足早に立ち去ってしまう。
教室を出る間際、ちらっとだけ振り返った陸奥の顔は--
笑っていた。
冷ややかな見下すような笑みで。