テキストサイズ

……どうしてこうなった?

第6章 甘い罠

「なんだか、すいませんでした、先輩……」

学校を出た二人は財布を探して出会った公園にやって来た。
公園に着いて、彰人は真っ先にそう謝った。


「う、ううん……私が悪いの……彰人くんの予定も聞かず、今日帰ろうなんて無理に誘って……」

「そんなことないですよ。忘れていた俺が悪いんだし、優花も大人げなかったし……」

「ふふ……優しいのね、彰人君って」

「えっ、い、いや、そ、そんなこと……ないです……」

照れた顔で橘はそっぽを向く。


「でも敬語はやめてほしいな……なんだか、堅苦しいし……」

「うー……それは難しいなぁ……三年生だし、ましてや生徒会長だし……」

「それこそ関係ないでしょ? 生徒会長なんて誰もやりたがらないから押し付けられてるだけ」

二人は一緒に財布を探した辺りのベンチに腰かける。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ