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……どうしてこうなった?

第30章 自殺2

すこし裏寂れた通りに入り、築年数が自分の親とそうは変わらなそうな古びたアパートの前でリョウは立ち止まった。


「ここが私のお城。入る?」

試すような口ぶりでリョウが尋ねる。

「ああ。ここまで来たんだからな。入るよ」

「そう。わかった」

リョウは表情を変えずに部屋の鍵を開ける。

「どうぞ。お客さんが来るのは初めてで緊張しちゃうけど」

緊張しているようにはとても思えない口ぶりでリョウは橘を部屋へえと招き入れた。

「お邪魔します」

少しだけあたりの気配を確認して、橘は部屋へと上がった。

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