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……どうしてこうなった?

第30章 自殺2

「でも、どうしたらいいっていうのよ……悔しい、辛いよ……」

「自殺するっていうくらい、思いつめて、覚悟を決めるならさ……」


戦おうよ、リョウ。


橘はそっとリョウの耳元で呟く。
囁かれたリョウは怯えた顔で橘を見詰める。

「戦うって……どうやって……」

「訴えるんだ。リョウをレイプした人間を。罪を償わせてやるんだ」

「そんなっ……そんなこと……」

それまでの厭世的な冷えた表情とは違い、不安と怯えの表情になるリョウ。

「死ぬつもりだったんだろ? 死ぬ気ならなんだって出来る。どうせ死ぬつもりなら戦おう」

「出来ないよ……そんなこと……そんなことするくらいなら、死にたい……」

「いいじゃねぇか。傷つくことくらい。もう充分リョウは傷つけられた。やってやろう。
大丈夫。俺も一緒に戦ってやるから。な?」

橘はギュッと肩を握りリョウの顔を覗き込む。

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