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「うん……ゆうちゃんはすごくいい子なんだけど……素直になれないとこがあると思う。そこがまた、ゆうちゃんの可愛いところなんですけど……」

その生まれたての今夜の夜景を見ながら友美も呟く。


「俺は芹沢が誰かを好きだっていう感情を隠したところを見たことがない。はじめてだ、芹沢が好きだという感情を隠してるのを見るのが」

「好きって感情を隠す……？」

「ああ。いつものあいつはなん組の誰それが好きだって平気で公言していた。そして大概付き合った」

「そりゃ芹沢先輩はカッコいいもんね。付き合えるよね。あ、わ、わたしは違いますよっ!!　私はせ、せせ誠一さんしか駄目ですからっ！」

やけに焦る友美に誠一は笑う。


「友美は素直だなぁ」

よしよし、と頭を撫でる。