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「副島様……お引き取り下さい」

それまでの丁寧な声色とうって変わり、重く響く静かな声で茅野は再度そう告げた。

「なんだよっ……」

副島はキッと睨みつける視線を茅野に向けた。

「どうぞ、お引き取り下さい」

茅野の目付きはいつもの穏やかで、それでいて感情の読めないものとは違っていた。

鋭く光り、相手を射抜くような鋭い眼光を副島に突き刺していた。

「な、なんなんだよ……」

それは街のチンピラなど問題ではないくらいの迫力があった。

芹沢の怒ったときの睨みより、更に激しく鋭い眼差しであった。

一瞬で縮み上がった副島は反抗することもできず、すごすごと引き下がり、陸奥家をあとにするよりほかなかった。