テキストサイズ

……どうしてこうなった?

第32章 陸奥家を継ぐ者

陸奥にしてみれば副島などただの「駒」のひとつに過ぎない。

多少は有能な駒ではあるが余人をもって代えがたいというほどの人物ではない。

結局はダメなら捨てる駒である。

ただの捨て駒に恋人ヅラをされるのは正直不快感さえある。

今後の副島の使い方は考えるべきだな、と陸奥は改めて感じていた。


両親が戻り、夕食になったのは午後の九時近くであった。

こうして父と母が揃ってこのような時間に食事が出来るのは一ヶ月で一度あるかないかくらいのものであった。

幼い頃からそういった環境で暮らしていた陸奥にとってそれは当たり前のことであった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ