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……どうしてこうなった?

第33章 動く歯車

「お疲れ様です……」

練習終了後、優花はやや気まずそうな表情でうつ向きながら芹沢にタオルを渡す。

「ん? あ、さんきゅー」

芹沢はいつもと変わらない感じの気安さでそのタオルを受け取り、ガシガシと汗で濡れた髪を拭く。

本当に、付き合っていたっころと何も変わらないように。

「さっきはありがとうございました……」

「あ? いや、まぁ元々は俺が悪いんだし、気にすんなよ。むしろ悪かったな」

「ずるいですよ、先輩……そうやって優しくして……」

「なんだよそれ? 俺が優しくしたら悪いのかよ?」

芹沢はケラケラと愉快そうに笑う。

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