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……どうしてこうなった?

第33章 動く歯車

「私、さっきの芹沢先輩の言葉、すごく嬉しかったし、それに……」


すごくかっこよかったです。
と言いかけて慌てて言葉を飲み込んだ。

一応彼女がいる別れた彼氏に言う言葉ではない。

「優花。お前は何にも心配しなくていい。お前が困るようなことには絶対にさせねぇから。安心しろよ。俺を信用しろ」

芹沢は優しく微笑んで優花の頭をぽんぽんと叩くように撫でた。

「も、もうっ! そうやって子供扱いしてっ! 私、自分のことは自分で何とかしますからっ! 心配しなくて結構ですっ!」

優花は怒りながら芹沢の手を払いのける。

本当は芹沢に頭をポンポンされてドキっと胸が高鳴った。

それを隠すためにわざと怒った振りをしてしまう。

素直じゃないし、可愛くないな……

自己嫌悪に陥りながら、優花は芹沢の手を払い除けた。

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