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……どうしてこうなった?

第33章 動く歯車

そこまで考えて優花は思考を止めた。


誰が好きかなんて考えて恋愛なんてするもんじゃない。

好きで、好きで、どうしても好きで、気になって仕方ない。
その人を思うと胸が痛くなったり、熱くなったり、それが恋だ。

考えて好きになんてなったりはしない。


ごちゃごちゃと答えの出ない脳内を綺麗さっぱり削除して、優花は駅からの通学路を歩いていた。

「おはよう、葉月優花さん」

不意に聞きなれない声で挨拶をされ、優花は振り返る。


「あなたは確か--」


生徒会副会長、副島一がニコっと笑いながら声をかけてきた。

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