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……どうしてこうなった?

第34章 狂気の刃

「ど、どういうことですかっ……陸奥さんが私に話があるんじゃ……」

どんどん迫ってくる副島から逃げるように優花は距離を取る。

しかしその背中が壁にぶつかり、それ以上後退できないところまで来てしまう。

「芹沢がね……憎いんだよ、僕は。芹沢さえいなければうまくいってたんだ……だから僕は、芹沢の一番大切なものを壊してやろうと思うんだよ」

月の光りが副島の不気味な笑顔を照らし出す。

「ひっ……」

すっと副島の手が伸び優花の腕を掴む。

「いやぁあああっ! さ、触らないでッ!!」

「騒ぐなよ。どうせ誰も来ないけどな」

副島は力いっぱい乱暴にぐいっと優花を引き寄せる。

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