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……どうしてこうなった?

第34章 狂気の刃

ガキッッ

そのでたらめな蹴りの一つが副島の顎に当たる。

「がはっっ」

顎を蹴られた副島は反動で後ろにのけぞる。

その一瞬の隙に優花は慌てて立ち上がり生徒会室の出口へと駆けた。

「待てっ! クソガキッ!!」

普段の冷静さや礼儀正しさからは想像できないような怒声を上げた副島は全力で優花のあとを追って駆け出した。


優花は怯えから脚を絡ませてよろけながら走る。

そしてポケットからスマホを取り出して慌てて助けを求める電話をかける。

無我夢中の優花が助けを求めるのに選んだのは、芹沢だった。

恐怖で頭がいっぱいの優花には助けを求める相手は芹沢以外、全く頭になかった。

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