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……どうしてこうなった?

第34章 狂気の刃

「ごめんな、優花。なんか様子がおかしいとは思ってたんだけど、まさかこんなことになるなんて……ちゃんとお前を守ってやれなかった……」

あれだけ激しい動きをしたというのに息も切らさなかった芹沢が、優花に謝りながら声を震わせた。

「ううん……ちゃんと助けてくれたじゃないですか、先輩……ありがとうございます」

泣きながら笑って優花はそっと芹沢に抱きついた。

芹沢は何も言わずギュッと優花を抱きしめ返した。

と、その時。

「危ない先輩っ!」

うずくまっていた副島がナイフを持って立ち上がり、芹沢に斬りかかってきた。

「死ねよッ!! 芹沢あぁ!」

「っっ!」

芹沢はバッと優花を安全な方へと突き飛ばし、副島の方へと構えた。

しかしあまりにもそれは遅すぎた。

副島の凶刃は芹沢へと振り落とされていた。


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