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……どうしてこうなった?

第34章 狂気の刃

サッカー部の部室の消毒液や包帯を使って応急処置をし、優花は破れた制服からジャージに着替えて帰路についた。

「本当に痛くないですか?」

「大丈夫だって。俺はあんな傷じゃ済まねぇ喧嘩、何回もやってるんだから」

「そんなに自慢して言うことじゃないですよ、それ」

優花はわざと白い目で芹沢を見る。

こうしてふざけ合いながら二人で歩くのは本当に久しぶりだなと優花は感じる。

「ごめんな。怖かっただろ?」

不意に低いトーンで芹沢が尋ねてくる。

「そりゃ怖かったですよ。あの人、なんか異常な感じだし」

暗い話にならないようにわざと優花はチャラける。

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