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……どうしてこうなった?

第34章 狂気の刃

「でも、もう安心です。芹沢先輩が来てくれたから……」

ボソッと優花が付け足す。

「嬉しかった……ありがとうございます」

さらにボソッと付け加える。

「私、怖くって……どうしたらいいかわかんなくて……無我夢中で先輩に電話して……」

だんだんその声は涙声に変わっていく。

「怖くって……怖くって……副島さんにひっぱたかれて……どうしたらいいかわからなくて……」

恐怖がだんだんと蘇り、優花は立ち止まって泣いてしまう。

「優花……」

芹沢はジャージ姿の優花をまた抱きしめる。

「だからっ……せん、ぱいが……来てくれたとき……本当に嬉しくって……もう、誰にも頼らないで頑張ろうって思ってたのに……」

優花はしゃくりあげるように泣き声を上げる。


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