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……どうしてこうなった?

第34章 狂気の刃

「馬鹿だな、優花。頼れよ、俺に。いつだって、頼れよ」

「だって……だって……」

「だってじゃねぇよ。俺を頼りにしろ。優花くらい、助けてやるよ、いつだって」

「先輩……」

涙で濡れたまつげを上げ、優花は芹沢を見つめる。

副島に叩かれて腫れた頬が痛々しい。

「俺はいつだって、優花の味方なんだからさ」

喋りすぎだ、そう芹沢は感じていたが、止まらなかった。

「先輩……」

二人はじっと見つめ合い、ゆっくりと唇を近づけ、そっと重ね合った。

キスをすれば後戻りできない。

二人共そう感じていたが、止まらなかった。

どうしても、今、ここで、二人はキスがしたかったから。

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