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……どうしてこうなった?

第35章 芹沢の弱点

「あいつさ、限界だったんじゃねぇのかな」

「限界?」

「そう。あいつは佳奈美が好きでしょうがなかったんだよ。そこに俺が割って入ったからキレたみたいだな」

「割ってはいるの何も……私と副島君はそんな関係じゃないわ」

「さぁな。俺にはそこまでわかんねぇよ。ただ、あいつにとってはそうじゃなかったんだろうな」


セックスを楽しむ間柄を『そういう関係』じゃないと言い切る陸奥に芹沢は呆れた。

「でも無事でよかった……芹沢くんにもしものことがあったら、私……」

陸奥は悲しげな表情を浮かべる。

それが本当に悲しいのか、演技なのか、もはや陸奥には自分ですらわからなくなっていた。

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