テキストサイズ

……どうしてこうなった?

第36章 橘たちの戦い

一郎のこの一連の反応は決して演技ではない。
自分と涼子は本当に愛し合っていると勘違いをしているのだ。

だから一郎はレイプだとは思っていない。

心が通い合った、思いの通じ合ったセックスだと勘違いしているのだ。

橘彰人はそう確信した。

一郎はハッと顔を上げ、彰人の方に視線を向ける。

「お、お前は誰だっ!? お前が凉子をたぶらかしたのかっ!?」

思いが通い合っていたはずの涼子が急に家を出ていき、拒絶したのは橘が何か変なことを吹き込んだに違いない。

一郎は当然の帰結のようにそう考えた。

「やめてっ! 私はあなたを訴えに来たの!」

涼子は弾かれたようにそう叫ぶ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ