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……どうしてこうなった?

第36章 橘たちの戦い

一郎は彰人が想像していたよりもだいぶ小柄で貧相な男であったが、バサバサの髪と無精ひげが狂人のような恐怖感を生み出していた。

「そうよ。私はあなたに処女を奪われた。それから何度も何度もレイプされた」

怯えていた涼子も覚悟を決めたのか、毅然とそう訴える。
ただ、やはり、声は震えていた。

「凉子さんはあなたにレイプされ、その苦痛で何度も自殺を図った。あんただって知ってるだろう?」

「なにをっ! あれは、許されない愛に悩んだ涼子がっ……
もういいっ! 貴様は帰れっ! これは俺と涼子の問題だっ!」

一郎はギュッと涼子の手を掴む。

「きゃああっ!!」

「手を離せっ!」

橘は一郎の手を振り払わせる。

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