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……どうしてこうなった?

第36章 橘たちの戦い

「凉子……お前は騙されてるんだ……この男に……家に帰っておいで……」

卑屈な猫なで声を出し、一郎は必死に涼子の情に訴えようとする。

しかしもともとない情には訴えようもない。

「もうやめて……もうやめてよ……」

泣きじゃくる凉子を橘はそっと抱き寄せる。

「また来る。あんたも頭を冷やしてよく考えろ」

これ以上は無理と判断した橘は凉子を抱き寄せながら立ち去ろうとする。

「ふざけるなっ! 娘を置いていけっ! 誘拐で警察に訴えるぞっ!」


血走った目で一郎が叫ぶ。

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