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「芹沢く、ん……」

「なにか報復がしたいならしてみろ。だけど命がけでするんだな。優花に手を出したら確実に殺すぞ、佳奈美……」

吐き捨てるようにそう言って芹沢は立ち去っていった。

芹沢の姿が見えなくなってから、陸奥は泣いた。

実際は陸奥家の婿とかどうでもよかった。

ただ自分と隣に芹沢にいて欲しかった。

素直にそう言えない自分が、ただ恨めしかった。

陸奥家に生まれ、愛する人間も制限される辛さを佳奈美は呪った。

いや、そうじゃない……

別に陸奥家に生まれてなくても同じなんだ……

親が恋人に難癖つけるなんてよくある話だ。