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……どうしてこうなった?

第38章 素直になれたなら

夜風が心地よく身体をすり抜けていく。

優花は思わずぎゅっと強く芹沢の身体を掴む。

本調子ではない芹沢は速度を上げすぎずバイクを走らせていく。

バイクは山道を駆け抜け、以前来た見晴らしのよい展望台へとたどり着く。

「わぁ……やっぱりいつ見ても綺麗ですね、ここからの夜景」

優花は柵に身を乗り出し感嘆の声を上げる。

「おいおい。そんなにはしゃいで落ちるなよ」

「大丈夫ですよ。私これでも運動神経いいんですから」

そう言って更に身体を前のめりにする優花に芹沢ははらはらしてしまう。



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