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……どうしてこうなった?

第38章 素直になれたなら

「優花……」

芹沢は優花の隣に立って夜景を眺める。

「なんですか?」

夜景の中から自分の家や高校を探そうとしている優花は上の空で返事をする。

「俺は優花が好きだ。ずっとお前の隣でこうしていたい」

「へっ?」

いきなりの告白に優花は間抜けな声を上げる。

「だ、だって、先輩は……彼女いるし……そ、それに私一回フラれてるんですよ? 好きな奴で来たから別れてくれって!!」

それは芹沢の優しい嘘と気付きながらも、優花は文句を言ってしまう。

「ごめんな、優花……いつもお前を困らせたり、悲しませたりして」

芹沢は申し訳なさそうに優花に謝る。

「ほ、本当ですよ!! ちゃんとわかって謝ってるんですか!?」

今までふざけあってばっかりだった芹沢の真剣な表情に優花は照れ臭くてそんな言い方をしてしまう。

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