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「そうですねぇ……お給料は取り敢えずつけにしておきます」

「なんでそんなこと……」

佳奈美は消えそうな声で呟く。

「私は佳奈美さんが優れた人間だと確信しております。必ず成功します。そして強大な力を手に入れるはずです。それまで給料は未払いで結構です」

茅野はそう言って笑った。

「そう。そうね……もちろんそうよっ！　私はこのまま終わらない!!　必ず這い上がってみせる!!　成功を納めて陸奥家の人間に頭を下げさせてやるんだから!!」

弱気になっていた佳奈美だったが茅野の言葉で目が醒めた。

佳奈美はこれまでたくさんの人脈を作ってきたし、数々の商売を成功させてきた。

陸奥家の看板がなくともやっていける。

楽じゃないかもしれないけど、必ずやっていける。

佳奈美は自分に強くそう言い聞かせた。