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……どうしてこうなった?

第9章 優花の入部

家の扉を開けた瞬間、必死で我慢していた涙が堰を切ったように溢れ出した。

「あきっ……とっ……彰人っ……なんでっ……んでっ……なんでなのっ! ずっと好きだったのにっ……あきとぉおっ!!」

泣きすぎて、息が詰まった。

しゃくりあげ、呼吸がうまく出来なくなるくらい、泣いた。

部屋のカーテンを締め切り、布団に頭を突っ込んで、声を上げて全力で泣いた。

少し落ち着いては橘との思い出を思い出し、じんわりと涙がにじみ出て、次第に感情が高ぶり、再び激しく泣いた。

泣いた。
泣いた泣いた。

とにかく、泣いた。

泣き声は当然部屋の外にも聞こえ、食事を呼びに来た妹や母親も扉を開けるのをためらい、立ち去った。

膳に載せた夕飯をそっと部屋の入り口から母親が差し入れたが、優花は当然それを口にすることはなかった。

生まれて初めての失恋に、優花は激しく泣き続けた。

泣き続け、目を腫らし、うつらうつらとしか寝ることしか出来ず、目覚まし時計が鳴る音で朝まで泣き続けていた事実に気付いた。

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