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……どうしてこうなった?

第9章 優花の入部

泣き腫らした目をしていてはクラスメイトに変に思われちゃうっ……

優花は何回も顔を洗い、目の腫れを抑えた。

不思議と一晩泣いたせいか、今は橘のことを思い出しても涙は出てこなかった。


「おはよーゆうちゃん」

「おはよーともちゃん」

友美はいつもと同じように挨拶をし、優花の異変に気づくこともなく笑いかける。

友美だけでなく、クラスメイトも誰ひとりとして優花が目を泣き腫らしているということに気づく者はいなかった。

優花にとってそれは非常にありがたかった。

泣き腫らした目をしているとバレてしまっては、噂になって陸奥佳奈美を喜ばせるだけだ。

絶対に、それだけは絶対に許せなかった。

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