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……どうしてこうなった?

第9章 優花の入部

「ふふふっ……まだよ、葉月優花さん。まだ、喧嘩は終わらないわ。いえ……始まったばかり」

ゾッとするくらい冷たい声色に変わり、優花ははっと顔を上げた。


「それにその目……あなたは全然敗けを認めてなんかいないわ。隙あらば襲い掛かってくる目付き。
でも嫌いじゃないわ、あなたみたいな人」

「あなたねぇ……人の心をおもちゃみたいにもてあそんで……」

「完膚なきまでに叩きのめして、絶対に逆らえないくらい絶望的な表情にさせてあげる……
言ったでしょ? 私と喧嘩して勝った人なんていないの」

ふたりは静かに睨み合う。

「恋をするのは自由。でもね、自由には必ず責任がついてくるの。
自由だけを主張して責任を取れないような人間を私は許さない。あなたも、橘彰人も、恋愛の自由だけを楽しまないことね」

「失礼します」


優花は振り返り、生徒会室を後にした。


もう涙はない。

敵ははっきりした。


優花は必ず陸奥佳奈美に勝つと心に誓った。


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