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……どうしてこうなった?

第9章 優花の入部

「よう、お疲れ!!」

「せ、芹沢先輩っ!? まさか、本当に待っててくれたんですか!?」

「当たり前だろ? 約束したんだし、それに」

芹沢はスッと真面目な表情になる。


「彼女が泣いて目を腫らした顔してるんだ。ほっとけるかよ」

「か、かか彼女って……嘘の彼女じゃないですか!!」

優花はいつにも増して彼女という言葉に敏感に反応し、顔を赤らめた。
それは少なからずともこの間のデートが影響していた。

「まあ、いいだろ、そんな些細なことは。何があったんだ? 話してみろよ。彼氏に隠し事なんて、許さねーからな?」

「なんか、ズルいです……こういうときに、そういうこと言うの……」

不意に優花は目に涙を溜めてしまう。

「そうだよ。知らなかった? 俺はズルい奴なんだよ」

芹沢はまた優花の髪を乱すようにがしがしと頭を撫でた。

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