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……どうしてこうなった?

第9章 優花の入部

頭を撫でられ照れまくってるその背後から人影が近付く。

「お疲れ、葉月」

「や、槍倉キャプテンっ……」

不意に声をかけられ、振り返ると、そこにはサッカー部のキャプテン、槍倉誠一(やりくらせいいち)が立っていた。

「気を付けて帰れよ。おい、芹沢、うちのマネージャー襲うなよ」

「うっせーなー。襲わねーよ」

槍倉は軽く冷やかして、「じゃあ」と言って立ち去っていく。


「芹沢さんって槍倉キャプテンと知り合いなんですか?」

「あ? まーな。一年二年とクラス一緒だったからな」

さしたる興味もないように芹沢は答える。

「てかキャプテンって?」

「えっ? 知らないんですか!? 槍倉さんはサッカー部のキャプテンなんですよ!?」

「へぇー……あいつがねぇ……」

芹沢は少し嬉しそうに口許を緩める。

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