
見習い天使とコイスルオトメ
第5章 動き出す日常
---キーンコーンカーンコーン---
気絶した女子も元に戻り、教室に戻ってきて、
授業が進んだ。
「つ…疲れた……。」
それもそのはず、授業が終わるたびにレオンの周りには女子の大群が押し寄せて来る。
その波は幼なじみという意味の分からない設定のあたしをも襲って来る。
質問の嵐はやまない。
「ん?どーした、美音?」
「どーしたぢゃないわよ!あんたの取り巻きどーにかしなさいよ!本当疲れる…。だいいち、あたしには金髪の血縁関係は存在しないと思いますけど?」
「まぁそう言うなって。しょーがねーだろ?俺イケメンなんだもん。」
「……。」
もう何も言うまい。
「玲音くーん♥」
うわ、取り巻きの1人。
「玲音くんは何か部活入るか決めたー?♥」
ここまで出るのかってぐらいの猫なで声でレオンに話しかけて来る取り巻き女子。
もちろん関わりたくないあたしは窓の方に向いて他人のフリ。
「いや?」
「ぢゃあ、バスケ部入らなーい?♥」
「あー、まぁ考えてみるよ。 にこっ」
「う、うん♥」
---バタンっ---
ち、ちょっとちょっと!
また気絶しちゃったよー?
「おい、美音。」
いきなりレオンに話しかけられ、ビクッとなってしまった。
「な、なんですか?」
「この女運ぶの手伝え。」
「えー!!あんたが運びなさいよー。」
「あ?」
「はい、すいません。手伝います。」
レオンさん、二重人格っすか…?
