
1ぺーじすとーりーず
第6章 二重人格
起きたら君が血まみれだったんだ。
誰がこんな事を?
って聞いても答えてくれなくて、ただ微笑むだけで。
何時も何時も。
君は大丈夫しか言わないんだ。
でも、今日は違った。
「君を…愛してるよ…、君の全てを愛してるよ。…でもね…今日でサヨナラだよ…。ごめんね…。君を助けられなかった。ごめんね…。」
君の頬に流れる涙が、君の血の存在を薄くした、まるで消えかかった君の命のようにね。
「わかんないよ…。何で君は血まみれなの?どうして?答えてよ…ねぇ…。」
君の微笑みを目にしながら、僕の意識がまた遠ざかった。
『嫌だ。嫌だよ。お願い、神様彼を連れて行かないで―――――。』
僕が愛した人。これであなたは僕のものだよ。
血に染まる愛しい人は僕を抱き締め、呟くように言った。
「言えないよ…君が苦しむ姿は見たくない。ごめんね…最後まで自己中で…。ねぇ…神様?僕は幸せだよ。だって、愛する人の狂愛の刃によって死ねるんだから。」
頬を伝う温かいものは
喜びか?
悲しみか?
今一つになった人格の真理は
後悔。
