キレーな顔した狼さん。
第15章 12匹目
瑠樹…?
そんな瑠樹を見て、
俺はある"違和感"を感じた。
それは…そう。
まるで好きな子が他の人と喋ってたのを発見して、素直になれず意地悪しちゃう小学生男子…
……みたいな?
いつもの瑠樹とは少し違う雰囲気。
この場合……
俺の"違和感"が正しければ…
その……
─す、好きな子ってのは、
俺……で、いんだよな?
え!?ま、まさか…
瑠花って事は…無いは、ず……
で、でも…明らか意地悪してるのは瑠花にだよな……
あーあれか!?
好きな奴と話してる相手が気に入らない!…みたいなっ。
つか、そーであってほしい…。
「…り…汐里っ!」
─ビクっ
「は、はいっ」
悶々と一人で考え込んでいた俺は
瑠樹に呼ばれてるなんて知らなくて、
大きな声を出す瑠樹に、ビクリと反応してしまった。