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キレーな顔した狼さん。

第6章 4匹目

「フフッ、熱だしてこんなダルそうなのに…俺の事…上目遣いで誘っちゃって…汐里は淫乱だね?」

なっ何を言ってんだ!?
仮にも病人の俺相手にっ

「ばっ、バカじゃねーの!?」
プイッ

その言葉と共に顔を瑠樹から勢い良く反らしてやった

「汐里…そーゆー反応も全部ツボだから…もしかして狙ってんの?」

笑いながら恐ろしい事を言う瑠樹に
もー返す言葉が見当たらない

ついには

「もーやだ…」

なんて涙を浮かべながら弱音を吐いてしまう始末

気付けばまたいつもの立場に後戻り

…今度はもっと先の事を考えてから発言しよう

密かながら心に誓う俺

「あー勃ってきちゃった…もーこの話はおしまいね、じゃないとヤバイから。さすがに病人襲う訳にも行かないし…」

真顔でそんな事を言う瑠樹に俺はたたでさえ痛い頭を死に物狂いで必至に上下させる

「そんなに必至にならなくても大丈夫だよ、それより早くお粥食べないと…そろそろ猫舌の汐里にもちょうど良い暑さだと思うし」

と、言いながらお椀にお粥をよそい
スプーンで掬ってからフーフーと息を吹き掛け
パクっ
……ちょっと待て…何でお前が食べんだよ…そして何故俺が猫舌だとしっている

フーフーした時点で何気"あーん"なんてしてくれんのかと期待しちまったじゃねーかっ
ちょーハズイ!俺の期待を返せっ

俺の疑問が伝わったのか瑠樹はお椀から目を離し俺の目をみて言った

「どーせ、何で俺が猫舌ってしってんだ?っておもってんだろ?そんなもん汐里の事なら俺は何でもしってんだよ。それに今のは"味見"だって。作った時、味見すんの忘れてたから」

……猫舌の件については敢えて触れないでおこう
それより味見?

「あ、そーいやさっきからちょくちょく気になってたんだけど…このお粥、お前が作ったのか?」

俺の質問に瑠樹は考える事なく

「そーだよ?」

と、返事をする

「へぇー…料理できんだ?初めて知ったな」

「そりゃ料理ぐらいできっけど?
俺、一人暮らしだし」

「ふぅーん…そっか、一人暮らし…え!?」

あまりにナチュラル過ぎて聞き逃すとこだったわっ

「ま、まぢで?」

「うん、あれ?言ってなかったっけ?」

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