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キレーな顔した狼さん。

第6章 4匹目

「悲しそう?そんな事した?記憶に無いなー」

こ、こいつ…

……はぁ

「あっそーだぁ」

怒りを通り越して呆れ気味の俺の頭に俗に言う"良いこと"が思いついた

「なぁ瑠樹っ」

「ん?」

「俺の写真はもーいからさっ、その分、お前の写真も取らせろっ」

「え…俺の写真?」

そう…俺の思いついた"良いこと"っつのは瑠樹の姿も俺のケータイに納めること

「おうっ、別にいーだろ?」

キラキラした目で言う俺に半ば仕方なさそーに瑠樹は答えた

「…わかったよ」

「よっしゃっ」

「その代わり、早く飯食って風邪直せ。んで、汐里の家族が帰って来る日、俺とデートすること。それができたら俺の写真何て好きなだけとったらいいよ」

「で、デート!?」

「うん、そー」

「…す」

「え?」

「絶対直すっ!瑠樹とデートしたいっ」

「え…」

「ん?なんだよ?」

「い、いや」

少し戸惑ったみたいに俯く瑠樹

「ん?ま、いーや、早くお粥食わせろ」

「あ、ああ」

瑠樹の作ってくれたお粥を全部、瑠樹に食べさせて貰うという何とも恥ずかしいような嬉しいような食事を終え、最後に薬を飲んだ

「あーっ、旨かった!サンキューなぁ、瑠樹っ」

満面の笑みで瑠樹にお礼を言うと

すんげー優しい笑顔で

「どーいたしまして」

なんて言うから少し動揺しちまった

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